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2024/04/24 05:13 |
村上春樹氏のスピーチに感銘を受けた


さて,過日イタリアではさくら水産でクダ巻いてるみたいなアル中のおっさんが日本国を代表して喋り,挙句辞任とか言っているがさっさと辞任させてさくら水産に行かせてあげたほうがいいと思う.一方でエルサレムでは日本を代表する作家が素晴らしく印象的なスピーチをした.イスラエルのエルサレム賞で受賞した村上春樹氏だ.

すでに,いろんなニュースサイトやブログで取り上げられており,いまさらな情報なんだけど,重ねて言うが非常に印象的なスピーチだったのと,あまり日本のニュースサイトでは全文を掲載していないため,アーカイブとして現地紙 THE JERUSALEM POST の記事からスピーチ本文の抜粋と,( )内に私の解釈として訳を加えた.THE JERUSALEM POSTの記事は池田信夫さんのブログ経由で見つけた.

翻訳についてはすでに様々なサイトで行われているが,表現が結構マチマチなのと,結構過激な意訳をしているところもあるので,稚拙だが今の私の解釈という意味での翻訳だ.何度か,Indivisualっていう言葉が使われていて印象的だ.ここでは「ひとりの人間」と訳した.それと,Systemは「体制」って訳したけど,「システム」と読み替えてもらってもいいと思う.


"When I was asked to accept this award," he said, "I was warned from coming here because of the fighting in Gaza. I asked myself: Is visiting Israel the proper thing to do? Will I be supporting one side?

(受賞の話があったとき,この場所に来ることを戒められた.ガザの戦闘のためだ.私は,ここに来ることが正しいかどうか,どちらか一方を支持するのかどうかを自問した.)

"I gave it some thought. And I decided to come. Like most novelists, I like to do exactly the opposite of what I'm told. It's in my nature as a novelist. Novelists can't trust anything they haven't seen with their own eyes or touched with their own hands. So I chose to see. I chose to speak here rather than say nothing.

"So here is what I have come to say."


(考えた上で,来ることを決意した.私は小説家のため,駄目と言われるとしてみたくなるのだ.小説家は自分の目で見たもの手で触れたもの以外は信じることができない.だから来ることに決めた.何も言わないことより,何か言うことを選んだのだ.こんな話だ.)

"If there is a hard, high wall and an egg that breaks against it, no matter how right the wall or how wrong the egg, I will stand on the side of the egg.

(もしもそこに硬く高い壁があり,卵が投げつけられるとする.壁が幾ら正しくて卵が誤っていても,ワタシは卵に味方するだろう.)

"Why? Because each of us is an egg, a unique soul enclosed in a fragile egg. Each of us is confronting a high wall. The high wall is the system" which forces us to do the things we would not ordinarily see fit to do as individuals.

(なぜなら私達は皆卵だから.一人ひとり異なる魂が弱い殻に包まれた卵だ.皆が高い壁に直面している.高い壁は私達に,本来ひとりの人間としてしてはならないことを強要する体制である.)

"I have only one purpose in writing novels, That is to draw out the unique divinity of the individual. To gratify uniqueness. To keep the system from tangling us. So - I write stories of life, love. Make people laugh and cry.

(私が小説を書く唯一つの目的は,ひとりの人間の神性を描くことである.唯一性を満たすことである.体制に私達を混乱させないためである.だから,私は人生や愛を書き,人々を笑ったり泣いたりさせる.)

"We are all human beings, individuals, fragile eggs, We have no hope against the wall: it's too high, too dark, too cold. To fight the wall, we must join our souls together for warmth, strength. We must not let the system control us - create who we are. It is we who created the system."

(私達は皆人間,ひとりの人間であり,か弱き卵だ.高く冷たく,暗すぎる壁に立ち向かう希望も無い.壁に立ち向かうために,暖かさと強さに向かい魂を一つにしなければならない.体制に操られ,体制に私達を創造させてはならない.それは私達が創造したものだ.)

"I am grateful to you, Israelis, for reading my books. I hope we are sharing something meaningful. You are the biggest reason why I am here."

(部分的な意訳 By のらくろ)

どうだろうか?私の印象としては寓話的で抽象的,まさに村上春樹の小説みたいなスピーチだなと思った.しかし,市民団体の反対運動を押し切ってエルサレムに出かけ,その場所でこのスピーチをしたということは偉大.村上春樹氏にポリティカルでシニカルなイメージは無かったので,意外だったのと,とても好感を持った.


参考

YOUTUBE


THE JERUSALEM POST の該当記事
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1233304788868&pagename=JPost/JPArticle/ShowFull

池田信夫さんのエントリ
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/26ca7359e6d2d15ba74bcdf9989bee56

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2009/02/17 20:38 | Comments(0) | TrackBack() | 世の中のこと

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