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2020/05/28 08:14 |
ゲイは自分らしく生きている.
「ぼくの国,パパの国(原題:East Is East)」っていうイギリス映画がある.敬虔なパキスタン人のイスラム教徒のお父さん,普通の英国人のお母さん,そして,7人の子供達のドラマだ.家族がテーマになった映画がすきなのと,一時期パキスタンの文化に興味があったのもあって,レンタルしたんだけど,思いがけず,7人兄弟の長兄がゲイ,っていう設定があったりして,しんみりしつつ面白い傑作だった.

ちょっとあらすじを説明すると,お父さんは本当に頑固なイスラム教徒で子供達にも信仰を強要するのですっごく嫌われている.長兄は,お父さんが選んだイスラム教徒の女性との結婚を拒んだことで勘当されてしまってる.ある日,お父さんの横暴に耐えかねた6人兄弟が長兄を頼ってパリにゆくと,お兄さんはすっかり派手派手ひらひらのドレスを着た,おネエさんになってて,フランス人のボーイフレンドとドーベルマンを連れて生活してる.がっかりした兄弟はイギリスに帰るんだけど,お兄さんはその後きちんと,弟達のために一肌脱ぐので安心してほしい.

ゲイの登場人物が,カミングアウトもできなくて両親から逃亡して,外地で暮らすっていうストーリーは,この映画のメインテーマじゃなくてあくまでサブストーリーなんだけど,ちょっとしんみりする話だ.でも,それだけじゃなくて,逃げるっていう選択肢もあるんだ,っていう希望も同時に与えていると思う.

この映画は,お父さんを中心に,世代交代や家族のあり方を問うた,心の温まる作品なのですごくお勧めする.ゲイのお兄さんも,特別な存在じゃなくて家族の一員として,バイアスなしに描かれている.

じゃ,このブログ終わり,って言っちゃうとただの映画紹介なんだけど,なんで唐突にこの映画を思い出したかっていうと,ゲイのヒトのブログをよく読んでいて,「HIVと同性愛っていう二重の偏見と闘う」って言う人や,「ゲイが自分らしく生きられる社会にしたい」っていうヒトがいたからだ.

ワタシは,あんまりそういう方面の問題意識は無い.今,ゲイのヒトってすごく生きやすい社会になってると思う.テレビをつければ,しじゅうおネエタレントが出演してるし,会社でも普通におネエに振る舞うヒトも多い.MTFで一流企業の会社員も知ってるし,ワタシもワタシの友達たちも,充分自分らしく仕事して,胸をはって生きていると思うからだ.

美輪さんの時代には,ゲイボーイってだけで知らないヒトに石を投げられたんだそうだ.でも,美輪さんみたいに立派な先達のおかげで,ワタシは同性愛に由来する偏見なんて,これまでの人生でされたことも無いし,すごく自由に生きているし,カミングアウトしたことで酷い仕打ちをされたことなんて無いし,それじゃあ,偏見とか「自分らしくない生き方」っていうのは今の世の中,どこにあるの?って思ってしまう.

イスラムの国々では,いまでも同性愛がご法度であることが多く,去年はマレーシアの副首相が同性愛疑惑で逮捕されたし,イランでは同性愛行為をした10代の男の子二人が,土に埋められて石を投げられる刑罰で死亡したりするのだ.それに比べて日本の同性愛者は,逮捕されないし,中学生だって高校生のカレシが居て,ブログを書いていたりするんだ!

だから,「自分らしくない生き方をしている」と思っているヒトは,自分がままならない理由を親や,住んでいる場所や,環境のせいにしていないかどうか,検証して欲しいし,偏見がある,って思ってるヒトは,自分が心に壁を作って,周りのヒトに過剰反応していないかどうか,改めて考えてもらいたいな,って思う.

それから,果たしてゲイライツを得ることが正しいのか,っていう問題はいつも考える.

会社において同性愛者っていうのは,性的な嗜好が違うヒトだと思われるけど,それなら,ハードなSM愛好家のノンケとか,ペドフィリア(幼児性愛)のノンケとかスカトロのノンケとか,有象無象の皆々様がゲイと同じようにカミングアウトしていいんだろうか.ゲイだってスカトロだってペドだって,性的嗜好の違う人々ってくくりでは,同じ土俵に立っているのだから,スカトロをカミングアウトしないほうがいいように,ロリコンも然り,ゲイも然り・・・だと思ってる.

だからワタシは無闇なカミングアウトには反対の立場を取っているし,仕事に性的嗜好は関係ないってずーっと思ってるので,あえてゲイライツを勝ち取ろうっていう考えが無い.

親友に泣きながらカミングアウトしたい,っていうヒトは,親友に泣きながらスカトロをカミングアウトされる,っていうシチュエーションを想像したほうがいいと思う.引くじゃん.それと同じことをするんだ,って,一度考えてから,行動に移したほうがいいと思っているんだ.それに,スカトロ愛好家の団体が,「僕達にも人権を,スカトロが自分らしく生きられる世の中に!」ってパレードしたって,「勝手にしてよ」って思うよね.

もちろん,東京で生まれて東京で育ったワタシにはわからない,地方の事情とか長男の事情とか,家庭の事情があるってことはわかるんだけど,最後には逃げる,っていう希望もあるんだよな,って思ったとき,冒頭で説明した East Is East って映画の中で,逃亡っていう手段を選んでデザイナーとして成功して幸せになったゲイの長男のことを思い出したのだった.

それらを考えると,80年代ならいざ知らず,今,ゲイライツのために色々な活動をする人たちや,尾辻かな子さんは,一体何と戦っているんだろう? East is East って映画は99年の映画なので,英国ではもう10年前に,ゲイの長男が親の決めた結婚から逃亡して成功するって映画が製作されているのに,いまどき?って思ってしまう.

会社で,同性をデートに誘って,飲みに行っていい気分になって,電車のなかでディープキスして,路上で腕組んで歩くような社会がもしあったら,素敵っていうより不謹慎なんじゃないか.

今,二丁目で遊んだり幸せな二人暮らしをしている同性愛者達よりもっと人権を得なければいけないのは,派遣ムラの人々や,ホームレス,副業を許されず奴隷労働してる会社員とか,フィリピンに強制送還される違法労働者の子供達とか,そういう人たちなんじゃないか,って思うのだ.ゲイは充分幸せだと思う.
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2009/02/16 23:39 | Comments(0) | TrackBack(0) | 愉快なゲイライフ

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