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2020/05/28 07:16 |
中島敦の「弟子」
中島敦の「弟子」は,ある男の成長と最期を短い小説に描いたものでした.

孔子の門下生たる子路の一生を描いています.

数ある孔子の弟子のなかでも手を焼かせる,でも憎めない一直線の男である子路.

なぜ邪が栄え正が衰えるのかをまじめに悩むような男.国が栄えても一直線,国が衰えても一直線なその性格に,孔子をして「尋常な死に方をしない」と言わしめてしまう.

それでも師弟関係は続き,いつか成長し,若年のころはその楽器の音色からも未熟さを指摘されていた子路は政治家として大成し,師匠である孔子も,「彼の努力によりこの国の隅々まで手配が行き届いている」と語るまでになります.

しかしその後の政変で,自らの「保身を潔しとしない性格,一直線な国を思う気持ち」から,殺されて極刑に処される子路.

そのただ一途な一生が描かれていました.

ワタシがまだ終えていない人生というものがあの数十ページで生々しく描かれていて,それはワタシを畏怖させるに足るものです.

一応,三度くらい読み直しましたがまだ,メッセージとして受け取れて居ない部分があるのかと思います.旅の途中で出会った老農夫にはどんな意味があるのか,まだわかりません.

これからも読み返してみたい本でした.どうも,漢文なイメージがあって読みづらいと思っていたけど偏見で,すんなりと読める現代書籍でした.

物語の最後,老いた師匠が命を落とした弟子を思って涙する場面では思わず涙が.そして,そのごシシビシオを食べることは無かったとの一行の重さよ!
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2008/08/07 21:25 | Comments(0) | TrackBack(0) | 未選択

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