40代からの歯列矯正

今日誕生日だった．

ワタシは昔から自分のことが大好きで，自分の見た目とか一挙手一投足，自分が書く文章にいたるまで納得してないと不満なタイプだ．だからこういうブログなんかも，一度書いてみて，テキストファイルで保存しておいて，後日見返してみて客観的に納得がいく文章じゃないとＯｕｔしないようにしている．

そんな自分大好きな私が最近変わり始めてる．あんまり自分のことを熱心に考えられなくなってきた．だから，今も髪の毛も伸び放題だし，髭もきちんと剃らないし，あんまりいい事ない．

ただ，自分に熱心じゃない代わりに周りの人々や世の中のことに妙にセンシティブになってきてしまって，毎日ＷＥＢニュースを見たりこの目でいろんな人の有様を見つめて，それに対するＯｕｔｐｕｔをブログに書いて安心して眠る．

自分へのご褒美っていうのはつまり自分を甘やかしてるのを，ちょっと聞こえのいい言葉で言ってるだけだと思ってるんだけど，だって普通，自分に対して「御」っていう尊敬表現は利用しないし，「褒美」っていう言葉自体，目上の人が目下の人に差し出すものなので，自分に自分からご褒美っていう時点でわたしなんか，気持ち悪くて嫌になってしまう．

そんな「自分へのご褒美」の最たるものは，オナニーで，自分で自分を気持ちよくさせてあげるってことだ．それは，自分への施し（Ｔｒｅａｔｍｅｎｔ）なんだから，究極に自分へのご褒美だと思う．他人の関わる余地が一ミリだって無い．髪の毛ほども無いわけだ．

で，ワタシも多くの男と同じくオナニーは大好きで，天国のＪｏｙｓｔｉｃｋ＝チンポををブンブンしごいて天国を垣間見るのを至上の喜びにしてたんだけど，最近すっかりそれを忘れてしまった．自分自身にあんまり関心を持てなくなるにつれて，オナニーっていうのをしなくなってしまったんだ．それは，禁欲したいとかっていうのとは違って，欲自体が発生しない感じで，すっかり勃起しなくなっちゃった．

一方で頭の中はいっつも勃起していて，丸の内線で泣いてる女の子を見れば感情移入して涙がこぼれてくるし，アホな警官に馬鹿にされた男子高校生を思えば涙が出るし，それっていうのは今まで自分自身を見つめてきたまなざしがどんどん外に向かってしまってるっていうことかもしれない．



なんか，まるで自分がザルになって，自分のエッセンスが外側にダラダラ流れてしまって，自分が空洞になって大きな目だけになってしまう感覚を今持ってる．

それで思い出したのは映画「Ｃｕｒｅ」の萩原聖人の台詞なんだけど，「自分の中にあったものがどんどん外側に流れ出て，空っぽになってしまう」っていう台詞．初めてこの映画を見たときによく理解しなかった台詞がこの数ヶ月で妙に感じる言葉になってきた．

このまま行けばＣｕｒｅの雨宮みたいに，自分の名前も忘れて経歴も立場も忘れて，すっかりシンプルなヒトになってしまうんだけど，どうなんだろう．行くところまで行きたいとは思うけど，行く先に何があるのかもわかんないし．

もっとも誰だって，行く先に何があるのかわかんないし，自分が何者かっていうのは自分が信じているだけで，客観的に自分が何者かなんて誰にもわかるわけが無いのだと思う今日この頃．不安はアンタのほうにある，って雨宮は言うけど，どうなんだろう，ね．

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リンク

黒沢清
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%B2%A2%E6%B8%85

Ｃｕｒｅ
http://www007.upp.so-net.ne.jp/mizutami/cure.htm

病気で黒ずきん姿の高校生へ警官「お前はタリバーンか」
http://www.asahi.com/national/update/0307/OSK200903070001.html

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